建新ブログ BLOG
2025.10.06NEW
- カテゴリー 新卒ブログ
“実学としての数学、その例”
お疲れ様です。新卒の坂本です。早いもので、当ブログを担当する機会も3回目となりました。
前回のブログも好評をいただけたようで何よりです。今回も、引き続き数学に関る記事を書かせていただきます。
統計学とは
統計学という分野をご存じでしょうか。平たく言いますと、「データを使って、物事の傾向や特徴をつかみ、判断や予測をする学問」です。
私たちは日常で、たくさんの「ばらばらな情報」に囲まれています。
たとえば、
- あるクラスのテスト点数
- スーパーの売り上げデータ
- 気温の変化
- アンケートの回答
これらはただの「数字のかたまり」に過ぎません。しかし、統計学を使うと
- 全体の平均は?(おおまかな中心がわかる)
- どのくらいバラついている?(安定しているか否か)
- この結果は偶然?それとも意味がある?(信頼できるか)
といったことが分析できるようになります。
建築分野における統計学の活用例
建築では、安全で快適な建物を設計・施工するために、多くのデータを扱います。統計学は、そのデータを正しく分析し、判断するための重要な道具となっています。
1. 地震や風などの自然災害への対応
過去の地震データや風速データを統計的に分析し、建物がどの程度の地震や風に耐えられるかを評価します。
日本の建築物の耐震基準は、「震度6以上の地震が起こる確率」のような確率論的な情報と、それを踏まえた工学的・構造的な目標に基づいて定められています。例えば、「震度6以上の地震が30年間で起こる確率」などをもとに、耐震設計を行います。ここでの予測は必ずしも確からしいものとは限りませんが、人類がその叡智を集め、南海トラフ巨大地震のような壊滅的な被害をもたらしかねないものに対して、その被害を少しでも和らげようとして行われるものです。その予測を基にした耐震設計は、人々の生活の営みにおける地震被害の不安を小さくする不可欠かつ素晴らしい設計です。
しかしながら、阪神淡路大震災や東日本大震災のような恐るべき震災に対して、当時の耐震設計は万全の備えが出来ていたとは言えません。地震という災害が常に身近にあるからこそ、我々人類は統計データを取りそれを基に耐震設計を施すことで、地震被害に備えなければならないのです。
2. 建材の品質管理
コンクリートの強度など、実は建築材料にはばらつきがあります。
統計学を使って、一定の品質が保たれているかどうかを判断(例えば、「このロットのコンクリートの強度は平均〇MPa、標準偏差〇」など)し、不良品の混入を防ぐことができます。
3. 建物の利用実態の調査
住民のアンケートやセンサー(監視カメラ・動体センサー等)から得られるデータを統計処理し、建物の使われ方を把握します。
たとえば、公共施設の「どの時間帯にエレベーターが混雑するか」「どのスペースがよく使われているか」などの情報を元に、設計改善等を行うことができます。
4. エネルギー効率の評価
空調や照明などに使われるエネルギーの消費データを分析し、季節や時間帯ごとのエネルギー使用の傾向を把握することで、省エネ設計につなげることを可能とします。
5. 都市計画や人口予測
将来の人口動態や交通量などを統計的に予測することで、都市のインフラや建物の配置計画に活かすことができます。
これまでに挙げてきたもののほかにも、統計学を用いようとしていることはたくさんあります。統計学は建築分野において「信頼できるデータに基づいた判断」を可能とします。
この学問を通じて、我々は安全性の確保・快適性の向上・効率的な設計や運用を図ります。
以上、建築分野における統計学の実用性を記させていただきました。これをもちまして、私のブログ投稿3回目の締めとさせていただきます。
次回の更新もお楽しみに!
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